美術と美食同好会 2017年度(第1回)~2019年度(第7回)

美術と美食同好会 2017年度(1~3回)、2018年度(4~6回)、2019年度(7回)を掲載。

 

                      美術と美食同好会(東京青木会「100年の歩み」3章5を転載)

 

 平成29年(2017年) 6 月第74回総会において、小 林慶三理事、平林秀明会長の発案により「美術と美 食同好会」の発足が発表され、年 3 回ペースで昼時 に開催されている。

 目の保養をして、美味しいものを食し、美術と美 食の感想を述べ合いながら、美術の余韻に浸るとい う何とも贅沢な数時間を共有する同好会である。

 2017年7月~2019年 3 月の間に 6 回開催されてい るが、第1回から 6 回までの観賞+美食のリストは 次のとおりである。

 

第 1 回(2017. 7 .30)(東京都美術館) 「ボストン美術館の至宝展」 上野公園 内の韻松亭で花籠膳賞味  

 

第2回(2017.10.29)(東京都美術館) 「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」 過門香上野バンブーガーデン店 中華料理ラ ンチコース

 

第 3 回(2018. 2 .18)(すみだ北斎美術館) 「Hokusai Beauty~華やぐ江戸の女たち~」 +常設展   Miagolare(ミャゴラーレ)=イタリアン

 

第4回(2018. 7 . 8 )(国立新美術館) 「ルーブル美術館展 ルーブルの顔」 東京ミッドタウン だし茶漬け  えん

 

第5回(2018.10.28)(国立西洋美術館) 「ルーベンス展―バロックの誕生」 音音 上野バンブーガー デン店=和食ランチ

 

第6回(2019. 3 .10)(東京 都美術館) 「奇想の系譜展」 土古里=韓国風焼肉 

 

 毎回、小林慶三さんと平 林秀明さんによって企画さ れるが、会費はリーズナブ ルであり、満足度は相当高 い。参加者は毎回12名前後 であるが、もっとにぎやか になってもいいだろう。

 それにしても、美術はい くつになっても刺激的であ る。葛飾北斎の迫力は日本 画の域を超えており、魂を 揺さぶる。ヨーロッパの画 家たちが驚嘆するのもうなずける。70を過ぎてからがほんとの仕事であるという 生き様も勇気を与えてくれる。

 王の画家にして、画家の王ルーベンスにはたまげ た。画がでかいうえに、裸体が超肉感的なのである。 ルーベンスが描いた小さな画を弟子たちが工房で巨 大化させるのだという。なるほど、そういうことか と思った絵が、「マルスとレア・シルウィア」。軍神 マルスが巫女のレアに懸想し、迫っている場面が描 かれているのだが、ルーベンス筆の小品ではマルス の欲情とレアの困惑と恥じらいの表情が生々しい。 ところが、巨大化された作品の方にはそうした生々 しさが見られないのだ。大きければいいというもの ではないのだ。が、やはりでかいのはそれだけで迫 力がある。

 先日鑑賞したばかりの「奇想の系譜展」。江戸時 代の奇想画家 8 名の奇怪な傑作がこれでもかといわ んばかりに迫ってきて、へとへとになった。幻想的 で、グロテスクで、煌びやかで、おどろおどろしく て、哀しくて、夢を見ているようで、日本人がこん なに多彩な筆致で描けるなんて!伊藤若冲は幻想的 で華麗であったが、狩野山雪の梅の老木の奇矯な枝 ぶりと岩佐又兵衛の恨みがこもった絵巻物はなんと も怖かった。  さて、美食(昼食)は、上野恩賜公園内の韻松亭 の花籠膳に始まり、中華、イタリアンと続き、だし 茶漬けを経て、和食の御膳に戻ったのだが、高齢者 のランチに相応しいラインナップが続いており、毎 回ビールが美味しい。そろそろフレンチとワインを 期待する向きもあるが、今回の「奇想の系譜展」の 後は韓国風焼肉で山形牛に舌鼓を打った。次はどん な美術と美食の会が企画されるのであろうか。(櫻 田喜貢穗・38年卒)

 

第7回 2019年11月24日 横浜美術館 「ルノアールとパリに恋した12人の画家たち」。参加者は 金谷さん、渥美さん、山口さん、小林さん、平林さんの5人。昼食は、中華街・重慶飯店。


第3回 すみだ北斎美術館 (2018年2月18日)